下腹部のお悩みの隠れた原因

下腹部にはいくつもの内臓があり、自律神経やホルモンに関わっています。食事や運動でも健全な状態を目指すことは可能ですが、整体を生業にしている僕からすると「骨格から変えると改善が早い」とお伝えしたくなります。

下腹部のお悩みのある方は、まず骨盤まわりの関節をチェックします。背骨とジョイントしている腰仙関節、骨盤の中心を取り巻く仙腸関節、骨盤と脚をつなぐ股関節。このいずれかに必ずと言っていいほど「詰まり」が存在します。骨盤まわりがギチギチに詰まっているから、その内側が緊張して100%の力を発揮できていないのです。

窮屈な骨盤であっても、食事を整えることで不調が出にくくなります。しかしながら、関節の詰まりは食事では治りません。むしろ関節に日常の負荷がかかり続けていますので、徐々に深刻になってきます。その結果として骨盤はさらに窮屈になるので、食事もさらなる制限が必要になります。アレルギー持ちの人も、食べられないものが年齢を重ねていくうちに増えてしまうことがありますよね。それも同じようなことが起きていると考えるとしっくりきます。

運動も健康に良いものですが、骨盤の詰まりを運動やストレッチでほどくのは至難の技かもしれません。詰まりのある関節はほとんどの場合、幼少の頃から歪み続けた蓄積として生まれています。どんな動きをしても、その関節を使わないようにカラダが習得しているのです。ストレッチをすることで可動域は広がっても、それは詰まった関節をカバーした「補正の動き」になっていることが多いです。「私、クラシックバレエをやってたのでカラダは柔らかいんです」という人も、細かくチェックすると腰仙関節だけ局所的に詰まっていたりします。可動域が広いことと関節の詰まりは別問題なのです。

骨盤まわりの関節が正しい滑らかさを取り戻すと、硬く緊張していた筋肉は脱力し、ダランとしていた筋肉は引き締まってきます。そうすると、その内側の自律神経系、ホルモン系も本来の働きを取り戻してきます。その状態を作ってから食事や運動を組み合わせると、もっともパワフルな変化が出るのは言うまでもありません。

関節の調整だけですべてが良くなると言い切るのも極端ですが、ほとんどの人の関節の詰まりは手付かずのまま放置されています。これまでのケアで思ったような改善が見られないのなら、違った角度からケアを進めてみると良いのかもしれませんね。

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