膝の関節のつくりを観察してみると、「折れ曲がるだけ」というシンプルな構造になっていることに気づきます。股関節や肩関節は色々な方向に動かせるようになっている反面、膝の関節は単一方向。その構造上、動かせる方向以外にテンションがかかると、すぐにイテテテとなります。
僕の整体では、「何が膝に負担をかけているのか?」と考えます。何かがぶつかった、転んで打ちつけたなどの直接的な衝撃がない限り、全体のバランスが崩れた結果として考えてみるのです。
膝の近所には骨盤があります。骨盤のわずかな可動性が失われていれば、膝に負担がかかりやすくなるのは当然です。でも、骨盤をチェックしてイレギュラーが見つかったとしても、「原因を見つけたぞ!」とはなりません。今度は「なぜ、骨盤の可動性が失われているのか?」と考えます。
いやはや、めんどくさい作業だと思うかもしれませんが、それが僕のお仕事です。骨盤の動きは、下腹部にある内臓が影響していたり、その内臓の働きは横隔膜の影響だったり、様々なことが想定できます。
そして、施術では最も深刻な制限をリリースして、膝の関節が変化するのかを確かめます。ですから、主訴をそのまま施術するということがほとんどありません。全体のバランスを整えて、膝が正しく回復するように仕上げていきます。
施術後にすぐに楽になることもあれば、数日かけて変化してくることもあるでしょう。クライアントの皆様は、本を読んだり、ネットで調べたり、さまざまな対策をされていると思います。それでも回復しないから整体の門を叩くわけなので、しっかりと丁寧な仕事をさせていただきます。